今回ご紹介するのは、ある建築施行会社の事例です。
今年コンサル2年目を迎える会社の社長の狙いは、
ただ社内をきれいに片づけるだけでなく、
「社員の片づけ意識を高め、片づけ自体を会社に根付かせたい」
「作業効率をあげ、みんなが早く帰れるようにしたい」というものでした。
この会社は、建築関係という業種柄、夜遅くまで残業する社員が多く
当然、片づけをする余裕もなく、散らかっているから効率も悪く・・・
と、負のスパイラルに陥りかけていました。
そこでスッキリ・ラボでは、会社に片づけを根付かせるために
環境整備チームを編成することを提案。
彼らを中心に、社内の片づけを進めていくことに決まりました。
ところが・・・。チームを作った1年目は
片づけを呼びかけるメールには反応無し。
メンバー以外の社員はどこか「片づけ=他人事」のような
ムードが漂っていました。
これでは、環境整備チームのメンバーも意気消沈してしまいます。
そこで2年目からは、環境整備チームを再編成することになりました。
通常、こういった社内の環境整備チームは
固定メンバーで運用するケースが多かったのですが
今回のポイントは、ローテーションの「当番制」に切り替えたこと。
目的は、「全員が当事者意識を持つ」こと。
メンバーは、管理、営業、施工、設計などの各部署から1名ずつ選出。
それを3ヶ月毎に交代して1年間で全員が必ず着任するようにしました。
さらに、当初は欠席者がいてもそのまま会議をしていたのですが
欠席の場合、その部署が代理を出して補う、というルールに改定。
すると・・・
不思議なもので、片づけの呼びかけに対する反応が良くなってきたのです。
それだけでなく、これまでに出なかった色々なアイディアが
次々と飛び交うようになりました。
全員が「環境整備チーム」を経験することで
やっと、社員が「片づけ」を他人事ではなく、自分達が取り組むものとして
認識できるようになったのです。
大きな変化のひとつは、これまでなかなか実施する習慣が根付かなかった
「18時の片づけタイム」。
この片づけタイムの呼びかけは、一週間ずつ交代している「朝礼当番」が
そのまま「声かけ係」を兼任することで解決しました。
ちなみにこの号令係は、通称「監督」と呼ばれるようになりました。
建築会社ならではのユニークな役名ですね。
こうして、社員達が自主的に片づけと関われるようになったことが まず大きな一歩となりました。 社長が描かれていたゴールのひとつ 「社員の片づけ意識を高め、片づけ自体を会社に根付かせたい」は、 時間がかかりましたが達成できつつあります。
次に掲げていた「作業効率をあげ、みんなが早く帰れるようにしたい」。
これはとても大きなハードルですが、片づけることで環境が変わり、
環境が変われば人は変わります。
今後のコンサルティングでは“残業して当たり前”という風潮も
少しずつ変えていけるような「片づけ」の力を
伝えていけたらと思っています。
また機会があれば、この会社の続報をご紹介したいと思います。
社長の描くゴールには近づいているのか? ご期待ください!