今回ご紹介するのは、とある病院のナースステーションの事例です。
ベテランの看護師は、業務に必要な物をひとまとめにして、
いつでもサッと取り出せるよう、自分の都合のよい場所に置いていました。
しかし、若手の看護師は、それを真似したくても
スペースに限りがあるため、そうもいかず・・・。
さらに中堅の看護師は、現状の問題に気づきながらも
ベテラン看護士に「やめて欲しい」とは言えずにいたのです。
ナースステーションの片づけをするための
業務改善プロジェクトも、すでに半年間動いていましたが、
もうひとつうまくいっていませんでした。
そこでスッキリ・ラボでは、まずは3ヵ月間という期限を決めて、
ナースステーションの片づけに取り組む
新プロジェクトを立ち上げたのです。
参加者は、看護部長と薬品担当者、
病棟の3フロアからそれぞれ2名ずつ。
それまでは、一部の看護師だけに都合がよかった物の置き場を、
ナースステーション全体の使い勝手をよくできるよう再検討。
薬品の置き場所も細かく見直すことで、管理がしやすくなり、
薬品担当の部署へ発注タイミングもはかりやすくなったのです。
今回のコンサルティングで、小松さんがとても驚いたのは、
プロジェクトの参加メンバーの意識の高さでした。
1回目のミーティングで、「何のために片づけるのか?」と問うと
次のような話が出たのです。
(1)“医療事故”を防ぐ
(2)必要な時に必要な物をサッと取り出せるようにする
(3)患者さんとのコミュニケーションの時間を十分にとれるようにする
この3つがプロジェクトの目標=ゴールとなりました。
プロジェクトは順調に進み、物もすっきり片づけられました。
さらに、ナースステーション内での人々の導線も見直され、
使いやすい環境が実現!
今回、このプロジェクトが成功した理由は2つありました。
1つ目は、ゴールが明確であったこと。
2つ目は、全員でゴールをしっかり共有できていたこと。
加えて、片づけの専門家である“かたづけ士”が来たことで、
ベテラン看護師にはなかなか言いづらかった事を
言いやすくなった点も、このプロジェクトを成功に導いた要因でしょう。