今回ご紹介するのは、江戸時代から300年以上も続いている
ある呉服屋の事例です。
きっかけは、九代目となる現社長が小松著書の
この本に出会ったことから。
『仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』
(マガジンハウス)
この社長は、コンサルティングを受ける前から、
“会社を片づけることで、仕事の効率も業績も上がる!”という
関係性を分かっていたのです。
しかし、どうしても「片づけ」という行為を
会社全体で重要視する風土を作れず悩んでいました。
幹部会議などでも環境整備を担当する委員の
発言権は「ゼロ」に等しいものでした。
その原因は、一体どこにあるのでしょう?
コンサルティングにうかがって分かったことは、
かなりの過密スケジュールで日々の業務が行われていたこと。
「片づけ」の優先順位が低くなってしまうのも、うなずける状況でした。
そこで、スッキリ・ラボが行った指導は・・・
【社長がまず身の回りを片づけること】。
6畳程の社長室の片づけを実行してもらいました。
毎日、15分の片づけ成果をメールで報告すること、3ヶ月。
元々、社員の出入りが多かった社長室。
「見違えるようにキレイになった!」
「しかも、忙しい社長が、自ら片づけた!」
この事実が社員の心を動かします。
社長の片づけの成功をきっかけに、次は【片づけプロジェクト】と称し
“片づけも仕事の一環である”という認識のもと、
社員にも実践してもらいました。
月に1度のコンサルティングで決まる「課題」に対し
2人ずつのチームに分かれ、
忙しいスケジュールの合間をうまく利用して取り組んだ結果・・・
本部と2つの店舗とその事務所が、少しずつですが着実に片づき始めたのです。
さらに、初めは受け身だった社員も、散らかっている場所があれば
サッと身体が動くようになるなど、意識の変化も起こり始めました。
社長が毎朝書き続けている「社長通信」で
スッキリ・ラボを取り上げていただきました!
忙しい社員達が何故、動くことができたのか。
原動力になったポイントは2つあります。
・一番初めに、社長が自ら片づけをしたこと
・「片づけプロジェクト」としてイベント化したこと
1つ目のポイントは、
不思議の国のアリスの作者、ルイス・キャロルの言葉に
通じるものがあります。
「あなたの話は信じてもらえないかもしれない。
でも、あなたの行いは、誰もが信じるでしょう。」
片づけなさいと言うよりも、自ら片づける行動を見せること。
“トップが率先して動くこと”の大切さを感じられた事例でした。